晴天に恵まれ、まちびらきを目前に控えた2019年10月27日、鶴間公園を仕上げる植樹祭が開催されました。

「南町田拠点創出まちづくりプロジェクト」で進めてきた木を活かす取り組みの第3弾となる植樹祭は、約300名もの方が参加されました。鶴間公園内の桜テラスへオオシマザクラを植樹するとともに、2018年2月に行われた「苗木づくり大作戦」で再整備工事の直前に鶴間公園から採取した苗木を含む約60本の苗木を皆さんで植樹しました。
まちの木を活かす取り組みについてのお話
はじめに、(株)建築と木のものづくり研究所の湧口善之さんから、まちの木を活かす取り組みについてお話を聞きました。
湧口さんは、2017年から、鶴間公園の再整備で伐採したまちの木を活用して、新しくできるパークライフ・サイトの家具などに生まれ変わらせる取り組みや、公園で自然に生まれた苗木を採ってまちに緑を広げ、そして公園に植え戻す取り組み「苗木づくり大作戦」をコーディネートしてきました。
まちの木は多くの人に愛されて育ちますが、大きくなりすぎると太い枝を切らざるを得ず、それによって病気になり、腐食して折れるなど、危険な状態になるそうです。病気なった木は、木材などに生まれ変わらせることが難しく、廃棄せざるを得なくなってしまうと言います。まちの木が大きく育ちすぎて病気になる前に、ある程度育ったまちの木は木材として活かし、切り株や木の根元から生まれる芽から次の世代を育てるサイクルをまちで実現できるといい、というお話がありました。
参加された方の中には、「苗木づくり大作戦」で公園から持ち帰った苗木を大切に育て、植え戻しに来てくれた方もおり、「毎日水やりをするのが大変だった」、「大きく育ってよかった」と感想を教えてくれました。
桜テラスへオオシマザクラをみんなで植樹
次に、台風で倒木してしまった木の代わりに、東京都の大島町から譲り受けた2本のオオシマザクラをみんなで桜テラスに植えました。
オオシマザクラは、クレーンで吊られて運ばれ、参加者が見上げる中、木がゆっくりと降ろされ、木の周りに積み上げた土をスコップで代わる代わるかけていきました。根が隠れるまで土をかけるには思ったより時間がかかり、最後は大人も子どもも一緒になって土をかけていました。
植樹をサポートした東京綜合造園の青柳さんからは、「木には向きがあって、どこが正面だとかっこいいかな、と考えながら植えています。」というお話や「根っこに巻いている布はそのままでいいの?」という参加者からの質問に、「土の中で分解される布だから大丈夫ですよ」と答える場面もありました。

約60本の苗木を植樹
その後は、運動広場の周りに、「苗木づくり大作戦」で鶴間公園から採取した苗木を含む約60本の苗木を参加者全員で植えました。
湧口さんや東京綜合造園のスタッフの方から、「この木は大きくなる木だから、あっちの方がいいかな」、「もうちょっと深く穴を掘らないといけないね」、「植え終わったら、しっかり土を踏み固めてね」などのアドバイスを受けながら、参加したみなさんが自分で場所を決め、穴を掘って苗木を植えていきます。
植え終わった後には、一緒に植えた家族や友人で、苗木と一緒に写真を撮る姿が見られました。「残念ながら2年前に持ち帰った苗木は育たなかったけれど、植樹祭に参加できてよかった」と話してくださった方もいました。
ガールスカウトによる植樹
植樹祭ではオオシマザクラや苗木の植樹と同時に、町田市をはじめ東急田園都市線沿線で活動しているガールスカウトのみなさんによって、ひといきテラスの周辺にジンダイアケボノ、デショウジョウモミジ、アブラチャン、ミツバツツジなどの季節ごとに楽しめる木々の植樹も行われました。
ほっとひといき、ティータイム
植樹が終わった人から、桜テラスでティータイムの時間をとり、全員が集まったタイミングで集合写真を撮って植樹祭は無事に終了しました。
この日は、閉会後にしばらくの間、公園の一部が解放されたので、公園のあちらこちらで、ゆったりくつろぐ人の姿や子どもが遊ぶ姿が見られ、11月13日(水)の南町田グランベリーパークのまちびらきに向け、期待の高まる1日となりました。