夏の太陽が照りつける7月29日、鶴間小学校にて、みんなで企画づくりワークショップ「鶴間公園のがっこう」の第2回目が開催されました。
新しくなる鶴間公園をみんなで活用するアイデアを考え、実現する連続講座の2回目となるこの日には、41名の方々がご参加くださいました。冷房のない体育館では、おのおのうちわや扇子、ハンカチなどを手にして汗を拭いながらのワークショップとなりました。
会場に到着した人から、宿題となっていた「みんなでできそうな企画」を壁やパーティションに貼り出していきます。みなさん、提出された宿題を興味深そうに眺めていました。
<1時間目>
グループの企画アイデアは、新しい公園のどこで実現できるだろう
まずはじめに、1回目で行われたグループ学習を簡単に振り返りました。前回は、スポーツ・音楽・遊び・学び・食のテーマにごとにグループをつくり、それぞれが考えた「わたしのアイデア」を共有して「みんなのアイデア」をふくらませました。
これらのアイデアが新しい公園のどのエリアで実現できそうか、東京農業大学准教授・福岡孝則さんと神戸大学准教授/ティーハウス建築設計事務所・槻橋修さんからお話がありました。
<2時間目>人とまちを少しずつ変えてゆく2つの事例を学ぶ
2時間目は、イベントや企画の実施を通して、関わる人や地域にどのような影響を与えられるのかをイメージするために、2つの取り組み事例を学びました。「遊び」のイベントを通して、子育てのネットワークを拡げたり、地域の人との関係性を深めたりしている事例です。また、取り組み事例を学んだ後は、事例発表者を交えたトークセッションが行われました。
大人と子どもの関係性が変わると、社会が変わる
ビオキッズ実行委員会・植田泰さんは、世田谷区にあるプレーパークをもっと多くの人に広めるために「ビオキッズ」という、外遊びと子育てをテーマにした野外フェスを企画・運営しています。ビオキッズを通してプレーパークを知ってもらい、子どもたちが外遊びを感覚的に学び、主体的に遊び始めるキッカケをつくることをビジョンにしています。買ってきたものを与えたり、大人が決めたことをやらせたりする企画ではなく、子どもたちが自分の力で何かを生み出したり、手に入れたり出来る企画を目指すことが大事です。子どもたちが主体的に遊ぶために必要な、遊ぶ時間・空間・仲間の「3間(サンマ)」を、ビオキッズやプレーパークで得てほしいと考えているそうです。
ビオキッズを実施する過程では、出店する他団体と同じ方向を見て、一緒に悩みながらつくりあげることを大事にしています。そうすると、仲間や他団体、企業、マスコミ、アーティスト、行政など、関わる人がどんどん増え、横のつながりが広がっていきます。イベントはゴールではなく、人と人をつなぐためのツールだ、というお話がありました。
日常的な活動を継続し、世代交代していくことが大切
次は、NPO法人水辺デザインネットワーク・中西修一さんのお話です。NPO法人水辺デザインネットワークは、子どもの居場所づくりや自然遊びの普及「砧・多摩川あそび村」と「せたがや水辺の楽校」の2つの団体が統合されたNPO法人で、多摩川での遊びや学びの活動と同時に、「原っぱギャザリング」というイベントを開催しています。原っぱギャザリングは、会議(ギャザリング)を会議室から飛び出してやってみよう、という企画で、毎回川や地域にちなんだテーマで、食を楽しみながら語り合います。
開始前に周辺の草刈りをみんなで行うなど、関わる人みんながお客さんではなく、提供者としてイベントに参加することを大切にしています。活動を続けていくために、無理をせずできることを継続し、世代交代につなげることが重要だというお話が印象的でした。
<3時間目>グループ学習
3時間目は、いよいよグループ学習の時間です。全体の進行役から、企画を実施する上で、考えてほしい3つの視点が説明されました。①普段は出来ないかもしれないことの実験、②多様な主体と一緒に実現すること実験、③ふらりと来た人が参加できること実験、の3つの視点です。
考えてきた「みんなでできそうな企画」をグループの中で発表して、どんな「企画概要」をつくるか、活発に話し合われました。グループ全員が立ち上がって、宿題の近くで熱心に議論する姿も多く見られます。持ち寄った宿題の内容を見ながら、1回目のグループとは違う新しいクループに再編したケースもありました。
最後に、グループごとに企画概要を発表して、第2回目「鶴間公園のがっこう」は終了しました。終了後も、話し合いを続けるグループが多くあり、みなさんの企画にかける情熱が伝わってくるようでした。
各グループが考えた「企画概要」を紹介します。
「公園deスポーツ」
企画名:公園deスポーツ
- ・みんなでラジオ体操とフォークダンスをやってみよう!
・一輪車やスラックラインなどのデモンストレーションを見てチャレンジしてみよう!
「森の音楽会」
企画名:森と広場と木の上の音楽会
- ・公園で見つけた素材で楽器をつくり、イベント会場のいろいろな場所で演奏!
・最後に、中央でみんなで集まってコンサート!
「木みドリーム〜君ドリーム〜」→「境川グループ」
企画名:出来ないを出来るに!!
- ・公園で、普段できない遊びを本気でやってみる!
・落ち葉プール、木登りなどで公園を楽しもう!
「のんびり自然を味わおう」→「のんびり自然を味わう」
企画名:遊び場の設定(読み聞かせカフェ)
- ・大きな紙芝居や絵本の読み聞かせをみんなで楽しもう!
・お話を聞きながら食べたり飲んだり、のんびり自然を味わおう!
・演劇も見られるかも?
「モリモリあそび」→「どんぐり」
企画名:自然のもので工作
- ・鶴間公園の木の実や葉っぱ、枝を集めて自由に工作しよう!
・好きなものを作って遊んだり、展示したりして楽しもう!
「学び戦隊 つるまグリーンスクール」
企画名:なぞときゲームでスタンプラリー
- ・鶴間公園にまつわるクイズに答えて、クエストをクリアし、景品をもらおう!
「ほっと食体験」
企画名:ゆるく火を焚き続けておひるごはん〜おやつを作る
- ・まずは公園でビザづくりの実験!
・みんなで火を囲んで、マシュマロ&ココア、焼き芋、長ネギ丸焼き、燻製などを楽しめるといいな!