梅雨空で暑さが緩んだ6月18日、鶴間小学校にて、みんなで企画づくりワークショップ「鶴間公園のがっこう」の第1回目が開催されました。
新しくなる鶴間公園をみんなで活用するアイデアを考え、実現する連続講座の初回となるこの日には、46名の方々がご参加くださいました。会場が小学校の体育館という事もあり、さながら入学式のようでした。
<ガイダンス>みんなでアイデアを考え、実現しよう
「自分たちの手でできることを企画にし、みんなで実現して、2019年のまち開きにつなげましょう。」とお話しくださったのは、町田市の都市政策課萩野課長。鶴間公園の「校長先生」というお立場からお話しいただきました。ガイダンスでは、「鶴間公園のがっこう」は、新しくなる鶴間公園を活用するアイデアをみんなで考え、実現する場だという説明がされました。
<1時間目>昨年の活用アイデアを共有する
1時間目は、昨年までの公園のデザインに関する話し合いから生まれたコトについて学びました。お話しくださったのは、東京農業大学准教授・福岡孝則さんと神戸大学准教授/ティーハウス建築設計事務所・槻橋修さん。
昨年までの話し合いを経て出来上がった「公園デザイン」と「公園の活用アイデア」についてお話を伺い、昨年までの話し合いの内容が、今年の公園のがっこうの受講者に引き継がれました。
<2時間目>発想を豊かにする2つの事例を学ぶ
2時間目は、公園を活用するアイデアを考えるに当たって、誰もが思いつくようなものではなく、一風変わった取り組みを学ぶことで発想を豊かにするために、2つの取り組み事例について学びました。一つは「街の木を活かす」という事例、もう一つはみんなの「まちを舞台にする」という事例です。また、取り組み事例を学んだ後は、事例発表者を交えたトークセッションが行われました。
街の木を活かしてできること
一つ目の事例をご紹介くださったのは、街の木を活かすものづくりの会・湧口善之さん。多くの人が思い入れを持っている街の木や庭の木を活かすことによって、人のつながりをつくる、特別な建物や空間をつくる、緑を増やす仕組みをつくることができるというお話を伺いました。
製材のために均一に育てられてきた木材を使うことと違い、街の木を製材・加工することはとても難しいという話や、地域の人が関わって木とのお別れをするワークショップでは、参加者が製材作業という大変な作業に関わることを通して、大切な木を失う辛さを木の次の人生を見守る気持ちに変えていける、というお話がありました。
なお、11月4日のイベントでは、この街の木を活かすものづくりの会の協力を得て、鶴間公園で伐られた樹木を活かすための製材・ものづくりイベントを実施する予定です。
みんなの日常の風景が舞台になると、まちを豊かになっていく
続いて事例をご紹介くださったのは、国立市を中心に「まち」を舞台として演劇活動を行う、えんがわカンパニー・おきなお子さん。おきさんからは、誰もが利用する日常の空間を演劇の舞台とすることで、まちに「非日常の空間」が生まれること。そして、上演までの過程でまちにつながりや絆が育ち、演劇以外の活動を生み出していくことにより、非日常の空間だけでない新たな広がりが生まれ「まちの豊かな土壌」をつくることにつながっている、というお話がありました。
まちの人へのインタビューを通して、南北の地域分断の問題を考え、そして南北の男女が出会うという物語づくりを通して、「信濃の国」のようにまちをつなごうとした作品から、アートや演劇を通してまちに関わることの可能性を学ぶことができました。
2つの事例を通して見える「公共の場を使う」ことの可能性
トークセッションでは、2つの事例には、「公共の場」をつかうことで多くの人の想いを動かしていること、体験を通してまちを知り好きになってもらうことにつながっていることが共通点として挙げられました。
また公共の場を使うということは、様々な制約を乗り越えなくてはならないということも確認できました。
それを実現するために、一人の想いだけでは難しいけれど、活動を支える仲間と一緒に実現していくことが大事であり、参加した人が楽しかったという体験をすることで、社会的な価値を得て、長続きする活動につながるのではないかというお話をいただきました。
<3時間目>グループ学習の準備
3時間目は、グループ学習の準備の時間。希望のテーマごとに7つのグループをつくり、各グループでは、受講者が事前に書いておいた「わたしのアイデア」を発表し合いました。
お互いのアイデアを聞きあううちに、アイデアへの共感が広がったり、アイデアを掛け合わせたものが生まれたりするなど、グループでの話し合いは盛り上がっていきました。大人と子ども、異なる年代が混じり合ったことで、新たなアイデアが生まれたグループもありました。また、事例にあった「木を活かす」、「演劇」などを加えて話し合ったグループもあったようです。
最後にそれぞれの「グループ名」を発表してもらった際には「こんな短い時間では自分のグループについて話し足りない」と訴えるチームもあるほどの盛り上がりを見せました。
「公園deスポーツ」
テーマAは、スポーツ。「公園deスポーツ」というグループ名をつけました。体力測定、アスレチック、健康太極拳など健康づくりとしてのスポーツのアイデアの他、マイナーなスポーツ体験会など様々なスポーツをもっと知ってもらおうというアイデアも出されました。
「森の音楽会」
テーマBは、音楽。野外コンサートやみんなで歌う、ドングリなどの自然の素材を使った音楽会をやろう、というみんなで音楽を楽しむアイデアが多く発表され、「森の音楽会」というグループ名がつけられました。
テーマCは、遊び。遊びのテーマからは3つのグループができました。
「木みドリーム〜君ドリーム〜」
アスレチックや泥遊び水遊び、宝探しイベント、自然の素材でものづくりをして遊びたいという「木みドリーム〜君ドリーム〜」グループ。
「のんびり自然を味わおう」
子ども向けのアクティビティや落ち葉やドングリ拾い、虫や鳥の声を楽しむというアイデアが出た「のんびり自然を味わおう」グループ。
「モリモリあそび」
木を使って小物づくりや遊びをやりたい、という意見が多かった「モリモリあそび」グループができました。
「学び戦隊つるまグリーンスクール」
テーマDは、学び。季節ごとの自然や植物・生き物を発見・観察したり、自然からの学びを得たいというアイデアが発表され、「学び戦隊つるまグリーンスクール」という名前がつきました。非常食体験、サバイバル食堂などの意見もありました。
「ほっと食体験」
テーマEは、食。バーバキューやパエリアをつくりたい、地元の野菜やフルーツを楽しみたい、紹介したいなどのアイデアが出ました。火を囲む楽しさへの共感が広がり、「ほっと食体験」というグループ名になりました。
最後に、「みんなでできそうな企画の概要」を考える宿題が出て、第一回目の「鶴間公園のがっこう」は終了しました。次回、各グループの企画の内容が決まっていくのがとても楽しみですね。