南町田拠点創出まちづくりプロジェクトの工事に伴う鶴間公園遺跡(町田市No999遺跡:町田市鶴間三丁目1-1(鶴間公園内))の埋蔵文化財調査を行いました。この調査は、調査面積375㎡で行われ、2017年1月16日~2017年3月17日の期間で実施されました。
今回調査の対象となった鶴間公園遺跡は、古墳時代、奈良時代、平安時代にかけての遺構や遺物が埋蔵されていると推定される場所です。この遺跡は、鶴間公園内で遺構や遺物が見つかったことから、鶴間公園遺跡と名付けられました。
周辺には、鶴間公園遺跡と近い時期の遺跡として、境川西岸(神奈川県大和市)の下鶴間甲1号遺跡/高所横穴群・上野遺跡、浅間神社西側横穴古墳群があります。
今回の調査で見つかった主な遺構は、古墳時代の竪穴住居跡2軒と道路状遺構1条、古墳時代から奈良時代にかけての溝状遺構2条です。遺物では古墳時代から奈良時代にかけての土師器(はじき)、須恵器(すえき)などが出土しました。また、発見された住居跡からはカマド跡も見つかっています。
※土師器とは、古墳時代から平安時代にかけて使われた弥生土器の系統を継ぐ素焼きの土器のことです。
※須恵器とは、古墳時代の中頃に朝鮮半島から伝わった焼き方を用いて作られたものです。
遺物出土状況
住居跡出土状況
住居跡、遺物出土状況
今回の調査で見つかった出土物は少量であり、集落跡の一端を垣間見る程度となりましたが、南町田の地域に古墳時代後期から奈良時代初頭に集落が存在していたことが明らかになりました。
古墳時代とは3世紀から7世紀にかけての時期を指し、このうち後期は6世紀から7世紀にあたります。古墳時代後期には、この時代を通じて最も多くの遺跡が市内で発見されています。代表的な遺跡として武蔵岡遺跡(相原町)、大蔵春日神社北遺跡(大蔵町)があげられます。また、後期には、横穴墓という斜面に横穴を掘り遺体を埋葬したお墓がたくさんつくられ、市内では三輪町において西谷戸横穴墓群、下三輪玉田谷戸横穴墓群、白坂横穴墓群が史跡として保存されており、見学することができます。
今回の調査結果の詳細は、下記をご覧ください。
鶴間公園遺跡(町田市No999遺跡)-町田市南町田駅周辺整備事業に伴う埋蔵文化財発掘調査報告書-(PDF・4,566KB)
調査結果の報告書は、町田市内の図書館及び下記閲覧可能場所でもご覧いただけます。
鶴間公園遺跡(町田市No999遺跡)閲覧可能場所 (PDF・261KB)