2019年5月17日(金)、18日(土)、セミナープラス南町田にて「南町田グランベリーパーク」プロジェクト発表会が開催されました。
2019年11月にまちびらきが決定し、まちのロゴデザインも発表された「南町田グランベリーパーク」。鶴間公園の整備や、商業施設の建替えも進むなか、いったいどんなまちに生まれ変わるのだろうかという期待の声も大きくなっています。そこで、近隣住民を対象に、町田市と東急電鉄がプロジェクトでつくられる各施設の内容や、まちびらき後の楽しみ方を紹介する発表会が開催されました。
開場時間になると、瞬く間にメイン会場・サブ会場は満席に。17日(金)は283名、18日(土)は407名もの方々が参加する大盛況となりました。主催者の想定を遥かに上回り、会場に入れなかった人も大勢いらっしゃいました。(※これを受けて、6月16日(日)11:00より同会場にて、追加発表会を開催しました。)
まちのぜんぶが“パーク”となる
まず、南町田グランベリーパークの全体像の説明から始まりました。コンセプトは「まちのぜんぶが“パーク”となる」。駅と商業施設、公園が境目なくつながり、誰もがお気に入りの場所を見つけて思い思いに過ごすことができる、南町田ならではのパークライフを目指すもので、“パーク”全体で14の広場やあそび場、プラザが散りばめられているそう。散歩や買い物、通勤通学まで、利用しやすい遊歩道や園路も多数整備されます。
また今回、日本では世田谷区二子玉川エリア、中央区晴海エリアに続いて3例目となる国際的な環境認証制度「LEED ND(まちづくり部門)」のゴールド予備認証を取得したことも報告されました。LEED認証とは、持続可能で暮らしやすいまちをどのように実現しているのかについての国際的な認証制度。緑をふんだんに配置し、グリーンインフラを生かしたランドスケープデザインがなされていること、歩車分離がなされ、歩きやすく、活動しやすい構造となっていることが、高く評価されました。
続いて、駅北口から南側へ抜け、商業施設「グランベリーパーク」を通って鶴間公園までの道のりを、VR動画を使って体感しました。「改札はこういうふうになるのね!」「ここにカフェがあるのはいいね!」といった声が会場のあちこちから聞こえ、駅から商業施設、公園がどのようにつながっているのかを実感でき、より具体的な利用イメージを共有できました。
「日常生活+α」が楽しめる公園
ここから、エリアごとの紹介に移ります。まず町田市から「鶴間公園」と「パークライフ・サイト」についての説明がありました。鶴間公園のデザインコンセプトは「心と身体が健康になり、“日常生活+α”が楽しめる公園」。以前より、地域住民の憩いの場として親しまれてきた鶴間公園は、大きな構成はそのままに、ベンチや歩きやすい園路などが新たに設えられます。これまでも人気の高かった「さわやか広場」のほか、管理棟やテニスコートがあった場所には「にぎわい広場」がつくられます。にぎわい広場には「桜テラス」という階段状のデッキも設置され、普段は遊んでいるお子さんを見守るベンチ代わりに、イベント時にはステージとしても活用でき、使い道の自由度が高く、想像が膨らみます。
「水道みち」は日々の散歩道としてはもちろん、幅が広く距離が長い空間を生かし、マルシェの開催やイルミネーションの実施などを想定。北西側のエリアには、小さなテラスも設置される予定。長い時間、何度でも公園を楽しんでもらえるよう、アスレチックのある「森のあそび場」、小さなお子さん向けの遊具がある「星のあそび場」、噴水と池を設置した「水のあそび場」など、子どもの遊び場も充実します。
スポーツの環境もますます充実します。「運動広場」は、6,500㎡と一般的な陸上競技場に近い広さとなり、1周360mのトラックレーンも新たに設置されます。スポーツエリアの一角には「クラブハウス」も建設。2階建てのクラブハウスには、貸出窓口やロッカー、シャワー、60㎡のスタジオのほか、カフェもあります。ロッカーやシャワーがあるため、仕事前や仕事帰りに立ち寄って汗を流すといったことも可能に。
「つるまの森」は、かつての里山の風景を残したまま、ウォーキングのしやすい園路が整います。生活動線としての利用も考え、夜間照明を生態系への影響を考慮しながら設置するとのこと。さわやか広場を見渡せる「こもれびテラス」や運動広場近くの休憩スペース「ひといきテラス」なども新たにつくられます。
鶴間公園と商業施設の間、まちの中心にできる新しいエリア、「パークライフ・サイト」は、子どもから大人まで、幅広い世代が活動するつながりの場です。鶴間公園で伐採された木材が使われた家具や本棚のある「まちライブラリー」やつくし野中学校区の「子どもクラブ」のほか、六本木から移転してくる「スヌーピーミュージアム」などがこのエリアに入ります。スヌーピーミュージアム館長の中山さんからは、ミュージアムの概要についても紹介されました。また、スヌーピーミュージアムは町田市の「えいごのまちだ事業」とも連携。町田市の子どもたちの英語学習の一環として積極的なコラボレーションを展開していくことが発表されました。
くらしの「楽しい」があふれるエンターテイメントパーク
続いて、東急電鉄より商業施設についての説明がありました。商業施設のコンセプトは「生活遊園地~くらしの『楽しい』があふれるエンターテイメントパーク~」。まち歩きの楽しさが感じられることに加え、ヴィレッジ型空間をコンセプトとした暮らしや自然との調和を図った街並みが創出されます。
駅前には郵便局やドラッグストア、カフェ、学童保育やクリニックなどの生活利便店舗を配置。映画館のあった建物は、最新の設備を備えた映画館が帰ってくるとともに、建物全体をエンターテイメント空間とし、キャラクターショップやゲームアミューズメントなどが配されます。パークライフ・サイトへの接続部分には、アウトドアショップや飲食店が並ぶほか、子どもたちがたくさんの「できた」を体験できるキッズ空間、緑に囲まれたライフスタイルを体感できるリビング空間、食の魅力が集まるマーケット空間とエリアごとにテーマを設け、グランベリーモール時代も好評だったアウトレットブースは規模を拡大して展開されるとのこと。
また、施設の中には、映像や音楽などの発信拠点となる「シアタープラザ」、マーケットなどで購入したフードをピクニック気分で楽しめる「マーケットプラザ」、アウトドアやスポーツの発信拠点となる「パークプラザ」、水遊びができ、大規模イベントも開催可能な「オアシスプラザ」など、特徴的な7つのプラザ(広場)が配され、屋外空間ならではの五感で楽しむ場として、賑わいを創出していきます。
こうしたコンセプトに合わせ、南町田駅は商業施設の賑わいと鶴間公園の自然の両方を感じられる空間に生まれ変わります。駅名は「南町田グランベリーパーク駅」に改称され、平日も急行の停車駅となります。北口広場には成田・羽田両空港への直行バスが発着するほか、改札からバス乗り場まで雨に濡れずに移動ができる屋根も設置されるとのこと。
さらに、防災上の取り組みとして、断水時の災害対応トイレの完備、停電後も3日間点灯する町田市オリジナルの照明設置、避難広場の拡張とヘリポート機能、調整池容量の拡張や防火水槽が完備されたことなどが紹介されました。まち全体で、災害時には、近隣地域の防災拠点としての機能を担います。
最後に、工事状況の報告として、6月9日初電に現改札から、自由通路上の新改札へと変更されることや、まちびらき後も一部エリアでは工事が継続されること、都市型住宅建設予定地や複合利用ゾーン(現ケーズデンキ跡地)の将来的な活用については現時点では未定であるものの、まちびらき時は、渋滞対応の一環として、暫定的に駐車場として活用されることなどが報告されました。
質問や意見は多数、期待の大きさを実感
「駐輪場が不足しているが、まちびらき後はどうなるのか?」「子どもたちが早く遊びたがっている。鶴間公園のオープンを早められないのか?」「ダイヤ改正はいつ頃か?」「駅前にはどんなクリニックが入るのか?」「まちびらきの際の渋滞問題についてはどのような対応策を考えているのか?」など、たくさんの質問・意見が出されました(質疑応答の詳細はpdfをご覧ください)。
また、会場ロビーにはウィッシュツリーが用意され、南町田グランベリーパークへのメッセージを付箋に書いて貼れるコーナーが用意されました。「志の高いパークで嬉しい」「スヌーピーミュージアム楽しみ!」「これを機にたくさん体を動かしたい」「工事中は思うところもありましたが、今日の発表会を聞いて楽しみになりました」といった激励のメッセージのほか「バーベキュー場がほしい」「スポーツジムをつくってほしい」「駅にエスカレーターを設置してほしい」(設置予定)といったリクエストも。そして、住民の生活に直結する問題であることから「渋滞対策についてはしっかりやってほしい」という要望は、複数書かれていました。
想定を遥かに上回る参加者数や次々飛び出す質疑応答の数々に、住民のみなさんの、南町田グランベリーパークに寄せる期待の大きさを改めて感じました。まちびらき後、地域の方々にどのように愛され、ひとりひとりの暮らしを豊かにする空間となるのか、ワクワクする気持ちを掻き立てられたプロジェクト発表会でした。
「南町田グランベリーパーク」プロジェクト発表会追加開催されました
2019年5月17日・18日に開催された「南町田グランベリーパーク プロジェクト発表会」は、大変多くの方々の来場があり、会場に入れなかった人も大勢いらっしゃったことから、2019年6月16日に追加開催されました。
追加開催された発表会にいらっしゃったのは、近隣にお住まいの方々を中心に、市内外から計168名。前回の開催に比べて、お子様連れのご家族や、女性の姿が目立ちました。
発表会の内容は、前回同様に、南町田グランベリーパークの全体像と各施設について、町田市と東急電鉄、スヌーピーミュージアムから紹介がありました。質問の時間には、「いつから平日も急行停車になるのか?」「公園の清掃や防犯はどのようになっているのか?」「まちびらき時の交通渋滞については、どのような対策を考えているのか?」など、たくさんの質問・意見が寄せられました(質疑応答の詳細はPDFをご覧ください)。
まちびらきまで、あと半年を切った南町田グランベリーパーク。どんなまちになるのか、期待の高まる発表会でした。
●発表会で配布した資料
01 南町田グランベリーパーク プロジェクト発表会資料(PDF)
02 2019年5月14日付け 町田市、東急電鉄、ソニー・クリエイティブプロダクツ プレス発表資料(PDF)
03 2019年5月14日付け 東急電鉄プレス発表資料(PDF)
●発表会でスクリーンに投影した資料
発表会 パワーポイント資料(PDF)
●開催報告
南町田グランベリーパークプロジェクト発表会(第1回)開催結果(PDF)
南町田グランベリーパークプロジェクト発表会(第2回)開催結果(PDF)
南町田グランベリーパークプロジェクト発表会(追加開催)開催結果(PDF)
●ウィッシュツリー
ウィッシュツリー(PDF)