南町田まちづくり通信

「鶴間公園の明日を考えるワークショップ」 第2回「光のワークショップ」を開催しました


台風の合間の好天となった8月26日、「鶴間公園の明日を考えるワークショップ」の第2回「光のワークショップ」が開催されました。平日の開催ということもあり、この日はご年配の方や小さなお子さん連れの女性を中心に、23名の方々がご参加くださいました。

第一部は、セミナープラス南町田(旧リバブルスクエア南町田)にて、これからの公園の利活用を考えるグループワークです。まず初めに、前回のワークショップの報告と振り返りがあり、それから改めて、公園の再整備について、コンセプトなどの説明がされました。ここでは想定外に活発な意見交換、質疑応答も行われ、参加者のプロジェクトへの関心の高さを伺わせました。

ほかの利用者の立場に立って考えてみる

「公園の使い方は人によってさまざまです。たとえば、夜の公園にはどんな可能性があるでしょうか。今日のグループワークではロールプレイ形式で“ほかの利用者の立場に立って考える”ことをしてみたいと思います」

とお話してくださったのは、一連のワークショップの全体ファシリテーターを務める神戸大学大学院・特命準教授の福岡孝則さん。用意されたのは「スポーツ好きの男性」「車イス利用者」「子ども」「外国人」「女子大生」という5つのロールカード。各テーブルで1枚カードを引いてもらい、そのカードの人物の立場に立って、公園をどのように利用しているか、どんなことに困っているのか、また、今後、公園がどんなふうになったらいいかを話し合いました。

おひとりおひとり、それぞれにさまざまな思い、意見を持っていますが、その中で、違う立場に立って公園の未来を考えるというのは、思いのほか難しい様子。ファシリテーターの進行のもと、少しずつロールカードの人物の気もちに寄り添っていきます。

最後に、各テーブルで話し合ったことを代表者が発表しました。

Aグループは「スポーツ好きの男性」です。人物設定から細かく決めたそうで、家族構成や仕事の忙しさ、なぜスポーツをやっているのかまで詳細に考えられていました。森の道は走りにくい、ベンチや休憩できるスペースがほしい、仲間とバーベキューもしたい、ジムやプールのように運動できる施設があると嬉しいなど、スポーツ好きの人の視点だからこそ見えてくる公園の未来がありました。

Bグループは「小学生」。商業施設と繋がることで防犯上の心配が増える、いかにも人工的な施設よりも今のみどり以外何もない公園のほうが子どもは楽しいのでは、といった意見が挙げられました。

Cグループは「車イス利用者」そして「外国人」と2つのロールモデルを検討しました。車イスの方は現在は水道みちしか利用できていないとのこと。「都市公園で完全バリアフリーに成功しているところはまだないそうです。だからこそ、鶴間公園は日本初の完全バリアフリーに挑戦してほしい」と意見を述べた参加者のお話が印象的でした。また、整備だけでなく、利用者同士の助け合いが自然と起こるようなリテラシーの向上こそ大切なのではないかといったお話もありました。

夜の鶴間公園で風船ライトを灯す

第二部は照明デザイナーの岡安泉さんをゲスト講師にお招きし、夕暮れの鶴間公園に移動しての「光のワークショップ」です。公園に到着すると、白い風船の中に小さなLED電球を仕込んだ風船ライトが水道みちいっぱいに並んでいました。これはスタッフが早めにきて用意していたもの。とても幻想的な風景です。

ただ、この日は台風の影響で風が強く、風船が飛ばされかかったり、割れてしまったり。ハプニングが続きましたが、参加者みんなで流される風船を追っていくのも、なんだか楽しそうでした。

公園にどんな照明があったらいいかを考えようと用意されたこれらの風船。各自、風船を手に持ってもらい、公園内を移動します。ヒモの長さは約3メートル。これは一般的な外灯の高さなのだそうです。照明というと明るさのことばかりが気になりがちですが、じつは大切なのは設置する高さ。そこでヒモの長さを調節し、低い位置にあると落ち着いた印象に、高い位置にあると活動的な印象になることを体感します。高さや設置する場所、明るさが変わると印象はどう変わるのかなど、いろいろなパターンで試しました。

ライトを囲んで、意見交換会

最後にテーブルの上にすべての風船を集め、そのテーブルを囲むように参加者で輪になりました。ひとつひとつの灯りは小さくとも、集まるとかなりの明るさになります。その灯りを囲んで、まるでキャンプファイヤーでもしているかのように、ひとりひとり、ワークショップの感想を話していきました。「夜は暗いほうがいいから、照明はなくてもいいぐらい」「防犯上の問題もあるからなるべく明るくしてほしい」「森への影響は少なくしてほしい」「夜の公園に初めてきたけれど、思いのほか暗くて驚いた」などさまざまな意見・感想が出されました。最後に、岡安さんからワークショップの講評を伺います。

「今日初めてここを見て直感的に思ったのは、樹木に対する影響を与えるようなことはすべきではないということと、眩しさをしっかりコントロールするということが重要なのではないかということです。

現在の鶴間公園の照明の状況、明るくもなく暗くもなく、かつ眩しい、という非常に良くない状況だと思います。さきほど天体観測をする人がいるというお話がありましたが、正直、ここで天体観測をやるのは外灯の眩しさが入り込んで相当苦しいんじゃないかと思います。

生活の動線としてどう使うかという話もありました。これもみなさんの中で充分議論しなければいけないと思いますが、使うのであれば、自分たちの目に入る眩しい光には充分配慮して、比較的高い位置から足元をきれいに照らし、植物には直接光を当てずに、自然環境への負荷を低減させるのはひとつの手だと思います。

あと防犯についてですが、犯罪は、光があろうがなかろうが起きる時は起きてしまいます。やっぱり人が防ぐしかないのが犯罪です。照明を明るくして、たくさんの人が健全に使うようになれば犯罪も起きないでしょうけど、明るくしてもちゃんと活用しなければむしろ犯罪の温床になってしまう。つまり、充分に活用していればそういう危険性はなくなるということだと思いますので、今後の使い方、この森をどう活かしていくのかということと防犯とは合わせて考えたほうがいいのかなという気がしました」

岡安さんのお話に、ただ単に照明を設置するというだけでなく、工夫によって誰もが利用しやすく、リラックスでき、安心安全な夜の公園の環境づくりが可能なのだと気づかされたような思いでした。

夜の公園をどのように利用するのかによって、照明の在り方もまた変わります。生まれ変わる鶴間公園にはどんな照明が合うのでしょうか。実際に夜の公園を見て廻り、光をそこに灯すことによって、さまざまな可能性の広がりを感じられたワークショップでした。

第一部の感想

S.Sさん/ 30代・女性
難しかったけど、とても楽しかったですね。それは、ロールプレイっていうものをやったことがなかったから楽しかったっていう純粋な感想なんですけど、人の気もちになって考えるっていうのはすごく大事なことだと思いました。自分の意見はもちろんあります。でもそうじゃない意見の人もたくさんいるので、どれが正しいとかではなく、みんなが思ってることを反映させていくのが公園づくりの大事なところなのかなと。そういうふうに、このワークショップに参加して思えてきたところです。

第二部の感想

M.Tさん/ 50代・男性
風がすごくて、実験が失敗気味だったのはちょっと残念でしたね(笑)。でも、こういうワークショップをやること自体はすごくいいことだと思います。防犯のことを気にしている方が多かったですが、つくってくれるものに依存するだけでなく、夜は懐中電灯をもつとか、自分の身は自分で守るというふうに考え方を変えるのも大切なんじゃないでしょうか。僕は、公園を子どもの遊び場として捉えるだけじゃまちのためにならないかなぁって思っています。大人が楽しそうにしていれば子どもは勝手についてきます。大人も、自分たちの遊び場ならそれなりに考えて使うし自衛もちゃんとするでしょうし、そういうところから考えていきたいですね。

第2回「光のワークショップ」開催レポート PDF(PDF・5,834KB)
第2回「光のワークショップ」ご案内チラシ PDF(PDF・1,884KB)