南町田まちづくり通信

「鶴間公園の明日を考えるワークショップ」第1回「みどりのワークショップ」を開催しました


2016年2月に町田市と東急電鉄で協定が締結された「南町田拠点創出まちづくりプロジェクト」は、鶴間公園・鶴間第二スポーツ広場とグランベリーモールを中心とした地区において、地区の都市基盤、都市公園、商業施設、都市型住宅などを一体的に再整備し「新しい暮らしの拠点」を創り出していくプロジェクトです。
全5回の「鶴間公園の明日を考えるワークショップ」は、鶴間公園及び鶴間公園と商業施設とをつなぐ「にぎわいの融合ゾーン」の魅力的な空間づくりを地域のみなさまと一緒に考えていくために企画されたものです。

梅雨が明けたばかりの快晴に恵まれた7月30日、旧リバブルスクエア南町田にて、「鶴間公園の明日を考えるワークショップ」第1回目となる「みどりのワークショップ」が開催されました。鶴間公園の特徴といえば、なんといっても360度ぐるりと囲むように存在する豊かなみどり(自然)。そんなみどりについて改めて知り、見つめ直すことで、公園の未来をどうしたいのかを考えます。

この地に長らく住まわれているご年配の方や地域活動に携わる方々、公園をよく利用するというお子さん連れの若いお母さんや学生など、さまざまな年代の方が約50名参加しました。

鶴間公園へフィールドワークへ

まずはじめにワークショップの全体ファシリテーターを務める「南町田拠点創出まちづくりプロジェクト」プロジェクトチームの神戸大学大学院・工学研究科建築学専攻・特命準教授の福岡孝則さんより、この日のワークショップのスケジュールについて説明がありました。

この日は午前と午後に分かれた二部構成。午前中は鶴間公園へとフィールドワークに出かけ、自然環境調査を行っている株式会社ラーゴ・代表取締役の西川博章さんをゲストに、公園の植生について学びます。午後は、フィールドワークで得た知識をさらに深め、公園の魅力と未来について語り合うグループワーク(意見交換会)を行います。

強い陽射しが照りつける中、配布されたフィールドノートを手に、鶴間公園へと移動しました。

入口広場にあるシンボルツリー付近は、「イロハモミジ–ケヤキ群集」と呼ばれる、この地域の原生林の名残と考えられる森。つまり、この地域の気候にあった自然林です。続いて現れたのは「スギ−ヒノキ植林」。これはかつて、材木として利用するために、人工的に植栽されて生まれた森だそう。そして、その隣にあるのが里山林、または薪炭林(しんたんりん)と呼ばれている「クヌギ–コナラ群集」です。かつては暮らしていくうえで必要不可欠だった薪や炭を取るために作られた森で「スギ−ヒノキ植林」と同じく、人との関わりの中で生まれ、存続した森です。

驚くのは、これら3つの植生がすべて鶴間公園内にあるということ。南町田周辺地区のかつての里山暮らしや、自然を忍ばせる森が公園の中に残っているのです。普段なにげなく利用している公園も、違った観点から見てみることで、新たな魅力が見つかりそうです。みなさんも、西川さんのお話に真剣に耳を傾けていました。

本来の公園の豊かさを考えよう

午後からは再び旧リバブルスクエア南町田に戻って、フィールドワークで得た学びをさらに深め、アイデアへと落とし込んでいきます。

まずは、西川さんから、鶴間公園の植生について、より詳しい説明がありました。会場に映し出されたさまざまな樹木や草木のスライドはすべて鶴間公園内で撮影したもの。鶴間公園の植生の豊かさがこれだけでもわかります。

つぎに福岡さんから「この公園の計画条件に関して」ということで、これまで町田市やプロジェクトチームが取り組んできたことの報告と、今後の公園計画について説明がありました。

また、都市公園再生の具体的な事例として、富山県氷見市の「朝日山公園」の事例が紹介されました。朝日山公園では「フレンズ・オブ・朝日山」という公園のファンクラブをつくり、約 50名のコアメンバーが公園の将来について話し合ったりプランを考えるなど、運営する側として市民が活躍しているのだそうです。

「公園はみんなのものです。でも逆にいえば、誰のものでもありません。今まで公園というのは、行政がつくるものというイメージが強かったと思いますが、私たち市民が公園づくりにかかわっていくことで、公園はますます生き生きしたものになるんじゃないかと思っています。誰もが公園でさまざまな活動を選択できる状態が本来の公園の豊かさだと思います。」

鶴間公園をこの先どう使っていきたいか

続いて、6つのグループに分かれてのグループワークです。各グループにはファシリテーターがつき、まず「公園をどんなふうに使っているか」を伺い、そこから「こう使っていきたい」という意見を出してもらいました。

取材班はCグループにお邪魔しました。ファシリテーターはプロジェクトチームの一員である神戸大学大学院・工学研究科建築学専攻・准教授の槻橋修さんです。みなさんスタート前から、公園への思い、ワークショップに参加した経緯などを話され、まるでグループワークも後半に差し掛かったかのような盛り上がりを見せました。年代も立場もさまざまでしたが、この公園の存在が、地域の方々にとってどれだけ大きなものかを実感しました。

南町田には古道がたくさんあることから、公園内の道をそれらの古道に見立て、歴史回遊路として歩きながら歴史が学べるようにしたらいいのではないか、といった具体的なアイデアも出ていました。

「みどり」を大切に

約40分のグループワークのあと、各テーブルのグループリーダーが、話し合った内容を発表しました。

【Aグループ】
鶴間公園は、自然が残る子どもの遊び場
キーワードは「里山」。整地した平坦な公園ではなく、この地形の公園でしかできないことをやりたい。

【Bグループ】
鶴間公園には3つの資源がある。「Nature」「Sport」「Facility」
融合ゾーンの木々がなくなることを多くの人が懸念している。
歩き疲れた人がひと休みできるスペースがほしい。いすわれる空間づくり。

【Cグループ】
駐車場では消防団が訓練をやっている。そういうことも忘れないでほしい。
公園の中の道を歴史回遊路にする。そらとみどりと静けさを残す。

【Dグループ】
遊具がないから、逆に子どもが自由に遊べる。「里山」としてどう残し、活用していくか。ユリノキ通りの交通量が増えるのではないかと心配している。

【Eグループ】
開発しすぎないでほしい。ハコモノより、子どもやペットの遊び場が大切。
線路沿いの道のみどりを増やしてほしい。

【Fグループ】
文化的なものがない。いろいろな人が使えるように、施設も必要ではないか。
東急沿線に住みたいと思えるまちづくりを。まちなかの緑も増やす。

そして大人たちが各テーブルで話し合っている間、会場の後ろにあった壁一面のホワイトボードには、子どもたちが「鶴間公園をどんな場所にしたいか?」を考えて、イラストに描いてくれました。その中には「川がほしい」「木登りができる木がほしい」といった、大人では思いつかなかったであろうアイデアもありました。子どもたちの意見を聞くのも、大切なことだと感じました。

どのグループにも共通していたのは、みなさん、鶴間公園、そして南町田周辺地区がこれからどう生まれ変わるのかに関して、強い思いをもたれていたこと。そしてこの日のテーマであるみどりについては誰もが大切に思い、残してほしいと考えていたことでした。プロジェクトチームでは、このワークショップの意見も踏まえ、今後デザイン案をブラッシュアップさせていくとのことです。

ワークショップ終了後も、会場には多くの参加者が残り、対話をしていました。みなさんのこのプロジェクトに対する思いの強さを改めて感じ、鶴間公園の「みどり」の魅力を再認識した1日でした。

参加者の感想

N.Rさん/20代・男性
最近まちづくりやコミュニティに関心を持ち出したので、何か地元に貢献したいなと思ったのと、この土地に対してみなさんがどう思ってるのかを知りたかったので参加しました。普段は多世代交流とかもないですし、すごく面白かったです。まちがよりよく変わっていくためには僕みたいな若い世代もちゃんと発言して、みなさんの愛着に勝るような画期的な提案をしていきたいと思いました。こういうことも今回、参加したからこそわかったことですね。あと、子どもたちが本質的なところをわかっていて、核心をついてましたね(笑)。子ども対大人みたいなワークショップがあったら面白いなと思いました。また、参加したいと思います!

A.Tさん/30代・女性
すぐ近くに住んでいて、鶴間公園がいちばん近い公園なんですよ。なので、この先どうなるかなっていうのが気になって参加しました。今のみどりがいっぱいの公園が好きな方がすごく多かったので、本当に良かったと思いました。この意見をぜひちゃんと反映してほしいですね。

第1回「みどりのワークショップ」開催レポート PDF(PDF・3,939KB)
第1回「みどりのワークショップ」ご案内チラシ(PDF・1,311KB)